年末調整の「小規模企業共済等掛金控除」の控除される金額や上限と対象の掛金や種類をチェック。
また、小規模企業共済掛金の控除申告書の書き方での意外な注意点や控除(払込)証明書がいつ・どこから送られてくるのか、紛失した際の再発行の方法と源泉徴収票で控除金額を確認する方法も調べました!
今回は、年末調整の小規模企業共済等掛金の書き方についてご紹介します!
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年末調整の小規模企業共済等掛金控除とは
年末調整の小規模企業共済等掛金控除とは、規定の「共済契約」や「個人型年金」、「心身障害者扶養共済制度」の掛金を支払った場合に受けることができる控除です。
小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金の種類についてご紹介します!
・「確定拠出年金」の掛金
確定拠出年金は掛金が個人ごとに区別されており、掛金運用の指図を自分で行い、掛金と運用収益の合計から年金給付額が決まる年金制度のことをいいます。
確定拠出年金には会社が掛け金を負担する「企業型確定拠出年金」と、個人が掛け金を負担する「個人型確定拠出年金」の2種類に分けられます。
通称「iDeCo(イデコ)」とも呼ばれています。
・「小規模企業共済」の掛金
個人事業または小規模会社の役員を退職したときの退職金制度です。
加入の条件は従業員が20人(商業とサービスでは5人)以下の個人事業主またはその共同経営者、会社の役員などです。
・「心身障害者扶養共済制度」の掛金
障がい者を扶養している保護者が毎月一定の掛金を納め、保護者が死亡または重度障害などがあったときに、障害のある方に一定額の年金を終身で支払われる制度のことをいいます。
小規模企業共済等掛金控除の上限はない
小規模企業共済等掛金で控除できる金額の上限は定められていないため、その年に支払った掛金の合計が控除の対象となります。
ちなみに小規模企業共済の掛金は月額1,000円から7万円まで、確定拠出年金の自営業の上限は68,000円です。
小規模企業共済等掛金控除の上限額
掛金種類 | 月額上限 | 年間上限 | |
小規模企業共済 | 70,000 | 840,000 | |
個人型確定拠出年金 | 個人事業主 | 68,000 | 816,000 |
専業主婦 | 230,000 | 2,760,000 | |
会社に企業年金が無い会社員 | 230,000 | 2,760,000 | |
公務員 | 12,000 | 144,000 |
意外な注意点
注意点として、社会保険料控除は本人が支払っている場合、生計を共にしている配偶者や扶養親族の保険料も控除の対象となっていますが、小規模企業共済は本人の掛金しか控除することができません。
そのため、平成29年からは専業主婦の方でも個人型確定拠出年金に加入することができるようになりましたが、奥さまの分をご主人が払っている場合でも小規模企業共済控除の対象外となるため、ご注意くださいね!
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控除(払込)証明書の送付時期
小規模企業共済の控除証明書がいつ・どこから送られてくるのか知りたいですよね!
小規模企業共済は加入時期や納付状況によって、控除証明書の送付時期が2月と11月に分かれます。
また、控除証明書は「中小企業基盤整備機構」からハガキにて送付されます。
以前から加入されている方は11月頃に控除証明書が送付されるので、確認してくださいね!
11月に控除証明書が送付される場合
・9月までに加入しており、加入時に初回分以上を現金で支払い、同年1月から9月までの保険料を納付した方
・7月までに加入し、加入時に現金で支払いを行わず、9月までに口座振替で初回分以降の支払いを行った方
2月に控除証明書が送付される場合
・10月から12月までに加入し、加入時に初回分以上を現金で支払った方
・10月までに加入し、加入時に現金で支払いを行わず、12月までに口座振替で12月以降の分を支払った方
払込(控除)証明書の再発行の方法
控除証明書(払込証明書)は「控除申告書」と一緒に提出するようにしましょう。
万が一控除証明書を紛失してしまった場合、中小機構ホームページから無料で再発行の申込をすることができます。
申請するにはホームページから契約番号・CD、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、選択資料を入力・選択します。
控除証明書は登録している住所に発送されます。
再発行の手続きには1週間程度かかる場合があるため、年末調整の締め切りまでに間に合うように早めに申込してくださいね!
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年末調整の小規模企業共済等掛金の書き方

小規模企業共済掛金控除の記入欄
小規模企業共済等掛金の申請は、上の年末調整の「控除申告書」を使用します。
右下にある「小規模企業共済等掛金控除」の欄に以下を記入します。
記入する種類の欄に
「独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金」と
「個人型又は企業型年金加入者掛金」、
「心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金」の3種類があるため、あてはまる掛金の金額を右隣に記入します。
控除金額の記入で注意点!

小規模企業共済の払込証明書なぜ月額のみ?
(画像参照元URL:http://www.smrj.go.jp/kyosai/index.html)
非常に腹立たしいことですが、小規模企業共済掛金の払込証明書には、何故か上の画像のように月額の掛け金いくらとしか書いてません。
他の生命保険料や、国民年金などは10月以降の見込み額も加味した合計金額が記載されてますのでその金額を記入すればOKですが、小規模企業共済掛金は、月額しか書いてないので不親切ですよね!
この金額をそのまま控除申告書に記入してしまったら、大損になるかもしれませんので間違えられません!
面倒ですが、年額に自分で計算する必要があります!
払込証明書では9月まで払ったことしか証明していませんので、10月分、11月分、12月分の予定金額も加えて合計金額を出します。
計算式
掛金月額×払込月数(掛止め期間は除く)ー前納減額金=本年中に払った掛け金全額
しっかり計算出来たら記入しましょう!
控除申告書の記入例

控除申告書記入例
例えば一番上の「独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金」(小規模企業共済掛け金のことです!)が年間240,000円あり、
2番目の「個人型および企業型年金加入者掛け金」(確定拠出年金の事です)が年間276,000円ある場合は上記のように記入し、その合計金額を「合計(控除額)」に記入します。
この例の場合、合計金額は516,000円となり、この全額が控除対象となります。
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源泉徴収票で控除されてるか確認
源泉徴収票をもらう場合「小規模企業共済等掛金」が控除されているかどうかを、どこで見ればいいのか知りたいですね!
小規模企業共済金等控除は、社会保険料の欄の「内」に記載されています。
(画像参照元URL: http://www.源泉徴収票.xyz/article/440826150.html)
例えば上記の画像内で大きく書かれている960,000円は、社会保険料控除額と小規模企業共済金等控除額の合計金額を表しています。
「内」に記載されている240,000円が小規模企業共済金の金額となっているので確認してくださいね!
ちなみに社会保険料控除額は「合計金額」-「小規模企業共済金等控除額」のため、上記の例でいえば960,000円-240,000円=760,000円になります。
年末調整の小規模企業共済等掛金のまとめ
年末調整の小規模企業共済等掛金の控除証明書や控除されているかの確認方法、書き方などについてご紹介しました!
控除証明書は11月または2月に送付されるので確認してくださいね。
小規模企業共済掛金の払込証明書は、非常に不親切なので自分で年額に直してから、記入しましょう!
また、小規模企業共済等掛金が控除されているかは「社会保険料」の欄をチェックしましょう。
控除証明書は再発行が可能なので、無くした場合はできるだけ早めに再発行の申込をされることをおすすめします!
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